ゆっくり実況をはじめとして、様々な音声合成ソフトが配信および発売されておりますが、今回はその中でも「VOICEVOX（ボイスボックス）」というソフトを試してみました。
ちなみに音声を人工的に作成する過程が音声合成で、この音声合成したものが合成音声だそうです。ソフトを表す際には音声合成ソフトが正しいようです。
この「VOICEVOX」の良い点は、なんといっても無料で商標利用が可能ということです。音声合成ソフトの数々は商標利用の際にライセンス料金が発生することが多いのですが、このソフトは利用規約に則っていれば商標利用も可能なのです。なんと豪気で寛大なソフトではないでしょうか？私は動画作成もしますが、自分の声を使いたくない派の人間なので、こういったソフトは本当にありがたいです。早速使ってみた感想などを書いていきます。
ダウンロードとインストール
「VOICEVOX」は、ホームページからダウンロード＆インストールをすることができます。インストールの際に利用規約に同意すればインストールして利用することが可能です。利用規約もホームページから確認することができ、ボイスキャラ毎に規約が違うようです。大体クレジット表記が必要などという規約があり、表記しなかったら罰金などの罰則が書かれております。また、18歳以上指定の利用などもご遠慮してくださいなど、各キャラによって違いますので良く読んでおきましょう。
VOICEVOXの良い点
声の種類（キャラ）が多い
有料の合成音声ソフトでも、最初から使えるボイスは3種類～5種類くらいなのですが、このVOICEVOXはなんと10種類（10キャラ）ものボイスを最初から使えてしまいます。しかも、4人のキャラには通常ボイス以外にも『あまあま』や『ツンツン』等といった別種類のトーンの音声を使うことが可能です。これだけの種類の音声を使うことができて、しかも無料という神がかった仕様です。
一度に複数のキャラを使い分けられる
このソフトは、一度に複数のキャラに音声を発声させることができます。同時に発声ではなく、文章を掛け合いのようにして読ませることができます。他のソフトでもできるソフトはありますが、実はこの機能ができる音声合成ソフトは少なかったりします。漫才のような掛け合いを入力することができるので、掛け合い式の動画を作りたい人には大変ありがたい機能だと思います。ゲームでも使用できるなら、10人くらいのキャラを声分けして音声振り分けできそうです。素晴らしいですね。（ゲームで使用できるかは規約を良く読む必要があると思われます。）
辞書登録も可能
音声合成ソフトでも、この辞書機能を持つものと、持たないものがあります。VOICEVOXは無料で辞書登録できるので、専門用語など通常の音声合成ソフトでは読みづらい単語も登録しておくことで、スムーズに合成音声を作ることが可能です。ちなみに英語はだいたいスペルで読みあげられてしまうことが多いので、英語を使う業界の人は、この辞書登録機能が活躍します。
音声の書き出し機能が豊富
音声の一括書き出しから、文節事の書き出しまであります。音声合成ソフトを使っていて、後にリテイクする際には分割して保存しておくことが一番だと思います。しかし、既にOKになった音声ならば一気に書き出してしまった方が、動画に入れる際にはファイル数が少なくなり管理が楽になります。初期状態では文節毎に書き出す形式ですが、オプションで一括保存なども選ぶことができるように変更可能です。また一括の保存の方法も文節で区切る形式と一気に読み上げる形式が選択可能です。
細かい設定変更
音声のイントネーションや息継ぎの場所、そして1音の長さ、話速や抑揚や音の高さの変更までできて、無料でこれでもかという機能が満載でとてもありがたいです。
GPUも使える
VRAM3GB以上のNVIDIA製のグラボを搭載したPCを所有しているならば、ソフトの処理をGPUに行わせることが可能です。処理速度が上がるようなので多くの文章を読ませたい人はグラボを搭載したPCを所有していると良いようです。
まとめ
過去にCeVIOという音声合成ソフトを購入しておりますが、このソフトも使い勝手に中々の癖があり、使いづらいところもあったので、今回このVOICEVOXを使ってみて、無料でここまで使えるのは大変すばらしいと思いました。クレジットが必要など、色々と規約はありますが、そこまで厳しいものはありませんので、ある程度の使い方であれば問題無いと思われます。
最近は動画化が素人でも簡単にできるようになったのですが、音声については自分の声が気に入らないという人もいらっしゃると思います。また録音環境を作ることも難しい人もいるので、この無料で使い勝手の良いVOICEVOXは非常に扱いやすいソフトだと感じました。
