図面や設計に非常に役立つCAD(computer assisted draftingまたはcomputer assisted drawing)ソフトを快適に動作させるためにオススメのPCを紹介したいと思います。
CADとは何か?
昔は、設計や図面作成は手作業で行なわれておりました。設計や図面を作成することは非常に時間と手間がかかる作業でした。
そんな手間のかかる作業である設計や図面作成をCADソフトを用いることで、PC上で設計や図面作成を行なう、または支援を受けることができ、設計や図面作成の大きな効率化が図れる夢の様なソフトです。
CADソフトの種類
CADソフトも無料のものから有料(数十万円)のもの、そしてソフトの中で扱える機能もピンキリです。なぜそんなに値段が変わるのか?というと扱える機能にも差があるからです。
CADソフトにも二次元CADと三次元CADを扱えるものがあります。二次元CADソフトは平面図・立面図を作成できます。三次元CADソフトは3Dモデリングを用いて立体の図面を製作できるので、設計後のイメージがしやすいという利点と、三次元データから二次元の設計データを作成することも可能なのです。
二次元CADと三次元CADはどちらを扱えばいい?
二次元CADソフトは比較的安く、三次元CADソフトは高価なものが多いです。また2Dデータと3Dデータでは扱うスキルは別物と言っても良いと思います。
三次元CADの方が便利と言われておりますが、設計者の好みもありますし、三次元CADを習得することに時間がかかるので、二次元CADソフトを使っていった方が仕事の効率が上昇するならば、二次元CADソフトをメインに使用しても十分と言えます。
CADソフトの推奨スペック
二次元CADソフトの推奨動作スペック
- OS:Windows7、8、10
- CPU:1Ghz以上のクロック数を有するCPU以上
- メモリ:4GB以上
- GPU:特に表記無し
- ストレージ空き容量:1GB以上
二次元CADソフトの推奨環境を調べると、グラフィックボードへの言及はありませんでした。二次元CADを主に使うようでしたら、メモリ容量が有れば有るほど良いという状況のようです。
三次元データを扱わない2Dグラフィックソフトも同様のことが言えるので、二次元CADソフトでもCPU性能とメモリ容量に重点を置いた方が良いようです。
代表的な二次元CADソフト
JW CAD
ホームページ:http://www.jwcad.net/
フリーの二次元CADソフトです。フリーソフトなので、二次元CADソフトはどこまで使用できるのか?ということを試してみたい人にオススメです。
ARCDRAW
ホームページ:http://www.daitec.jp/catalog/arcdraw2018/draw_01.html
お求め安い価格の二次元CADソフトです。90日体験版もダウンロード可能なので、気になる方は体験版をダウンロードしてみると良いでしょう。
図脳RAPID
ホームページ:http://www.photron.co.jp/rapidpro19/
扱いやすさに定評のある二次元CADソフトです。値段が高いのがネックと言えばネックです。
三次元CADソフトの推奨動作スペック
- OS:Windows7、8、10(64bit)
- CPU:Intel Core i5 以上
- メモリ:8~16GB以上
- GPU:VRAM3GB以上
- ストレージ空き容量:30GB以上
三次元CADソフトの動作環境を調べると、3Dデータを扱うだけあって高い性能が要求されます。とくに大きなデータを扱うようになれば、そのデータ量は青天井となります。
大きなデータを扱うのであれば、性能はあるだけあって損は無いという状況でしょう。
代表的な三次元CADソフト
AutoCAD
ホームページ:https://www.autodesk.co.jp/products/autocad/subscribe
非常に高価な三次元CADソフトです。汎用性が高いのですが、PCの要求スペックも高く、データ容量も大きいので生半可なPCですとフリーズしてしまうということもあるようです。
Vectorworks
ホームページ:http://www.aanda.co.jp/Vectorworks2018/index.html
こちらも高価ですが、マッキントッシュでも使える三次元CADソフトということで、かなり人気が高いソフトです。人気が高いということは取引先も使用している事が多いというので、互換性優先でコチラを購入する人も多いでしょう。
CADソフトに最適なグラフィックボード
グラフィックボードはNVIDIA社製のGeForceシリーズが有名です。しかし、GeForceシリーズはゲーム用のプログラムであるDirectXに最適化されたグラフィックボードとなります。
そしてCADソフトの多くは、OpenGLというプログラムを用いられて作られております。つまりGeForceシリーズでは、CADソフトの本領を発揮できません。性能の良いGeForceを搭載したPCもCADソフトの前では宝の持ち腐れになってしまうことが考えられます。
そこでOpenGL用に最適化されたグラフィックボードというものが存在します。それがNVIDIA社製であれば、Quadroシリーズとなります。CADソフト用のPCを選ぶのであれば、Quadroシリーズを搭載したPCを選ぶべきです。
更にグラフィックボードを製作する会社はNVIDIAが有名でありますが、AMD社も製作しております。AMD社ではRADEONシリーズが有名ですが、AMD社製でOpenGL対応のグラフィックボードはFireProシリーズとなるので、AMD社製のグラフィックボードを搭載したいのであればFireProを搭載したPCを選ぶべきです。
ただし、一点注意したいことがあるのですが、中にはDirectXを用いて作られたCADソフトもあるので、そのソフトを使用する場合は、GeForceシリーズやRADEONシリーズを搭載したPCを選ぶ必要があるということです。
QuadroシリーズとFireProシリーズではどちらがCADに適している?
グラフィックボード準拠でPCを選ぶ際に、NVIDIA社のQuadroシリーズとAMD社のFireProシリーズのどちらを選んだ方が良いのか?ということが気になると思います。
NVIDIA社はQuadroシリーズのラインナップを増やしております。最新型が欲しいということであればQuadroシリーズを購入した方が最近のOpenGLに最適化されていると思います。
現在FirePro搭載のPCを販売している店舗も少ないので、購入するのでしたら入手しやすいQuadroシリーズを搭載したPCを選択した方が無難と言えます。
Quadroシリーズのラインナップ
最近のQuadroシリーズはどんな種類があるのでしょうか?クオリティ別に紹介いたします。
エントリーモデル
- NVIDIA Quadro P400
- NVIDIA Quadro P600
二次元CADソフトの使用に丁度良いエントリーモデルのQuadroシリーズです。お値段もお手頃価格です。
ミドルモデル
- NVIDIA Quadro P1000
- NVIDIA Quadro P2000
三次元CADソフトの導入を検討している人は最低限この性能は欲しいところです。お値段はそれなりに高くなっております。
ハイスペックモデル
- NVIDIA Quadro P4000
三次元CADソフトを使用して高度なモデリングの作成をする人向けです。高精細なモデリングも可能です。お値段はかなり高価です。
ハイエンドモデル
- NVIDIA Quadro P5000
- NVIDIA Quadro P6000
より精密で、複雑且つ大がかりな3Dモデリングを作成する人、業務用と言っても良いでしょう。お値段は個人で購入するにはかなり躊躇が伴う金額です。
OpenGLとDirectXとは
DirectXはMicrosoftが開発したWindows上でゲームやマルチメディアの処理に特化したグラフィックインターフェイスです。Windows向けというところが大きいと思います。
そしてOpenGLはアメリカの非営利団体クロノス・グループが開発したWindowsやマッキントッシュ等で使用できるグラフィックインターフェイスです。DirectXと違い汎用性が高く色々なOSに対応できます。
また、DirectXは総合的な機能を担っておりますが、OpenGLはグラフィック機能に特化しております。三次元CADソフトはグラフィックに特化したOpenGLに対応しているものが多いのです。
二次元CADソフトにオススメのPC
二次元CADソフトを扱う人のオススメPCを紹介いたします。
SOLUTION-T037-i5-QI
CPUにintel Core i5-8400を搭載しております。メモリも8GB(4GBデュアルチャンネル)を搭載し、グラフィックボードにQuadro P400を搭載しております。
二次元CADを始めたい人に、お値段もお求め安い価格です。
raytrek LC-M
CPUにIntel Core i7-8700を搭載しております。メモリも8GB(4GBデュアルチャンネル)を搭載し、グラフィックボードにQuadro P600を搭載しております。
上記で紹介したSOLUTION-T037-i5-QIよりもCPUとグラフィックボードの性能が高く、より安定した動作を得られるPCです。
三次元CADソフトにオススメのPC
三次元CADソフトを扱う人のオススメPCを紹介いたします。
SOLUTION-T037-i7K-QZR
CPUにIntel Core i7-8700Kを搭載しております。メモリも8GB(4GBデュアルチャンネル)を搭載し、グラフィックボードにQuadro P2000を搭載しております。
三次元CADソフトを開始するなら、手が出しやすいこの価格が嬉しいPCです。
raytrek LZ P2
CPUにIntel Core i7-8700Kを搭載しております。メモリも16GB(8GBデュアルチャンネル)を搭載し、グラフィックボードにQuadro P2000を搭載しております。
三次元CADソフトを扱うならば、このPCがあれば安定した動作を得られるでしょう。
DAIV-DQX750H1-SH5
CPUにIntel Core i9-7900X を搭載しております。メモリも64GB(16GB×4)を搭載し、グラフィックボードにQuadro P4000を搭載しております。
本格的に三次元CADソフトを扱っていく人にオススメのハイスペックPCです。
まとめ
CADソフトを扱うのであれば、基本的にOpenGLに適したグラフィックボードであるQuadroシリーズを搭載したPCをオススメします。
ゲーミングPCと違い長く扱えるので、自己投資として満足のいくPCを購入した方が後悔は少ないです。