コンプライアンス(企業などが法令を遵守すること)が厳しい世の中になってきました。しかし、まだまだ、企業に勤める人のネットリテラシーが育っているかは疑問が持たれる状態です。
友人や知人との話題で問題に上がるのが、ネットの『フリー画像』です。会社の資料や広告などに、『フリー画像』で検索した画像を使ってしまうことは無いですか?
実は、この検索ワードで『フリー』と書いただけで、出てくる画像は全部フリー画像だと勘違いする人も多々おります。逆に、この画像は『フリー画像』ではありません。という注意書きにもHITすることがあるので注意が必要です。
フリーじゃない画像を使ってしまったら
個人間であれば、謝罪で済む場合もありますが、企業間ともなると、謝罪や賠償といった話になってきます。個人間でも拗れてしまえば賠償まで至るケースもあるでしょう。『これは私の著作権のある画像ですよ』と著作元に言われて『いや、フリーで検索した画像だから』と言っても、なんの解決にもなりません。ただただ、無知と醜態をさらしているだけになってしまいます。とくに、商品や利益が絡んだ場合は最悪です。完全にアウトなので、利益よりも損害の方が大きくなるケースもあります。『タダより高いものはない』という諺があるように、あとからとんでもない請求を出されたり、著作権侵害で訴えられ企業イメージが下がるといったこともあります。
対策方法はある?
フリーで検索して出てきた画像も、しっかりとサイトを開いて、そのサイトの管理者が管理している著作物か確認をしましょう。例えば、空の写真1枚だって、カメラを趣味とする人が時間と手間を割いて、撮影した写真です。それを、どこのどなたか知らない人が勝手に使ってポスターの背景にされたら、怒りも湧くものです。どこかのコンテストに出したくて撮影した渾身の一枚かもしれません。そういった背景があってもなくても、人が撮影したものには著作権が出てきます。(人物だとまた他の権利も出てきますが)このことを踏まえて、ネットで落ちている画像=フリーという考え方はこの際、一切捨ててしまいましょう。
いい感じの画像があっても、勝手に使ってはいけません。フリー画像を売りにしている『いらすとや』さんの画像ですが、規約を読むと、素材を21点以上使った商用デザインについては有償になるとうたわれています。また、無料で利用はできますが、著作権は放棄していないことも明示されています。フリー画像で有名な『いらすとや』さんでも、こういった規約があるので、全て人が作った画像には著作権があることを踏まえておきましょう。
自分で画像を作る
著作権のことを考えるなら、いっそのこと自分で画像を作ってしまうのが手っ取り早いです。実のところ、このコロナ禍の中で、私も多くのやりとりを文章化する中で、フリーサイトの画像だけでは限界があるので、下手糞ながらも、自分で画像や動画を作成するようにしました。これならば、著作権に触れるようなことはありません。音楽やら効果音については、流石に作曲ができないので、フリーの効果音集を買った次第です。アナウンスはナレーションソフトを企業として購入するという手もあります。企業で購入すると何十万という価格になるので注意が必要です。私はアナウンスを入れる際は、ボイスチェンジャーで対応しています。これらの手法は、一番面倒ではありますが、一番安心です。流石に漫画のキャラクターをそのまま使うような真似をすればアウトですが、完全オリジナルの当たり障りない絵を描く分には、どこからも怒られることもありません。
作れば著作者
自分で新しい画像を生み出せば、今度は私が著作者です。なんだか安心感も大きく違います。ちょっと偉くなった気にもなりますが、慢心しなければ、立派なクリエイターの仲間入りではあるので、少し仕事にも自信が湧いてきます。
プロにお願いするも良し
お金がかかってしまいますが、いっそのことプロにお願いしてしまうのも良いでしょう。プロに新キャラクターや新規音楽を作ってもらえば、違反する心配はありません。(プロの人がどこからか真似してしまったらアウトですが)
フリー画像の再確認を
ネット上でフリーと呼ばれているものは、必ずしもフリーではありません。フリー画像サイトでも、使用規約が書かれているので、そこらへんはしっかりと確認をして画像を使用しましょう。個人の範囲なら許されるものも、企業となると途端にブラックやグレーになってくるものも多いので、フリー画像の取り扱いには重々注意しましょう。