パソコンは熱に弱いと言われており、空冷ファンや水冷ユニットなどを付け、内部の温度を下げることが配慮されております。
熱い夏はPCが熱暴走しやすい等と言われておりますが、一体なぜそんなことが起こってしまうのでしょうか?
PCが熱に弱い理由
コンデンサの寿命と劣化
パソコンのパーツに使われる電解コンデンサが熱の影響をうけて壊れやすくなります。熱の影響を受けたコンデンサは確実に寿命が短くなります。
コンデンサは電極になるアルミ箔と電解液(油)が含まれた絶縁紙を交互に重ね巻き込んでいます。この電解液は温度が高いほど静電容量が大きく低下してしまいます。
寿命は数学の難しい数式で表すこともできるようですが、温度が10度上がると寿命が半分になると言われております。
マザーボード上で、コンデンサの85度品と105度品があり、105度品の方が高耐久ということになります。
半導体が熱に弱い
パソコンに使われている半導体は熱に弱い性質を持っております。半導体は通常の温度では電気を通さない性質を持っているものですが、温度が高くなると抵抗が下がり電気が通りやすくなり本来の性能を発揮できなくなります。
温度が上がり過ぎると流れてはいけない方向へ電流が流れ誤動作を起こしたり、最悪壊れてしまいます。
グリスの劣化
温度が高い状態が続くと、CPUやGPUに塗布されているグリスの劣化につながります。グリスの劣化が更にCPUやGPUの温度を上げるという悪循環に至ってしまいます。
温度を適温状態に保つ
パソコンが熱に弱い理由がわかったところで、パソコンにとって快適だと言われている温度に保つことを心がけなければなりません。
適温は10度~35度くらいが良いと言われております。パソコン内部は、排気が上手くいかなければすぐに高温になってしまいます。ファンのホコリが溜まることも避けたいところです。
更にノートPCは排気も吸気も難しいので、高温になりやすく長時間の使用は避けたいところです。パソコンの熱対策をしなければならない!と言われても理由がわからなければ釈然としません。
しかし、理由がわかれば熱対策する気にもなりますし、パソコンの故障原因の目処もつきやすいと思います。コンデンサや半導体は自分で修理することは難しいですが、原因がグリスであれば自分で塗布することもできないわけではありません。
もし、PCの調子が悪いな・・・と感じたら慌てずまず電源を切ってPC内部が異常な温度になっていないか確認し、温度が異常であれば、冷めるのを待って内部のコンデンサなどが膨れてしまっていないか?焼けたような匂いがしないか?おしてグリスの異常などを確認してみると良いかもしれません。
まず、熱に弱い構造であるということを知れば、PCを酷使するようなことをしないようにする心がけもしやすいと思います。