PCのメモリですが、マザーボードにセッティングする際に、デスクトップPCでしたら最近は4枚挿し込めることが標準的です。以前も記事にしましたが、メモリを16GBを1枚セットするよりも8GB×2枚でセットするほうが性能が向上します。
これはデュアルチャンネルと言い、水道を例に取ると、蛇口1つの水道よりも蛇口2つから水を給水する方が沢山の水が処理できるという道理になってきいます。
実際は単純にメモリ2枚で2倍の速度になるということにはなりませんが、デュアルチャンネルにした方が1枚挿しよりも性能が上がるということは変わりありません。
4枚挿しのクアッドチャンネル
2枚よりも3枚、3枚よりも4枚ということでメモリを増やせば増やすほど蛇口が増えるということで、処理能力が格段にアップするのでは?と考える人も多いと思いますが、単純にメモリを増やせば良いというものではありません。
このデュアルチャンネルやクアッドチャンネルの恩恵を得るためには条件がありますので、条件に注意しましょう。
デュアルチャンネルやクアッドチャンネルを使うときの注意点
メモリの規格を合わせる
まず、マザーボードに対応したDDR4やDDR3といったメモリの規格を合わせましょう。最近はDDR4が主流なので、そこにDDR3のメモリを付けても意味がありません。
また、メモリ容量が4GBのものと8GBのものもを合わせた場合は最近では4GB×2がデュアルチャンネルになり、残り4GBがシングル動作ということになるようです。そういった異容量デュアルチャンネルに対応していなければシングル12GBになってしまいます。
性能の違うメモリは下位の性能に合わせられる
メモリにはデータの転送速度が型番にあらわされております。例えばDDR4-2133のメモリとDDR4-2666のメモリを組み合わせたらDDR4-2133のデュアルチャンネルとして機能します。
片方だけ良いメモリを使って片方は性能の低いメモリにしてしまうと、結局性能の低いメモリ2つ分の働きになってしまいますので、非常に勿体ない形になってしまいます。
ただし、同じメーカーのメモリで調節機能のあるメモリなどでしたら中間性能になる場合もあるので、メモリのメーカー等は合わせて購入すると良い影響があることもあります。しかし、どうせなら同じ型番で同じメーカーの同型のメモリを2枚購入する方が損はありません。
CPUやマザーボードがチャンネルに対応しているか確認する
デュアルチャンネルやクアッドチャンネル、またメモリ3枚挿しのトリプルチャンネルというものもありますが、この規格に対応したCPUやマザーボードを使っていなければ、この機能を使うことはできません。
IntelやAMDのCPU製の説明ページに対応チャンネル数が書かれていて、ここの数値が2や4と書かれているので、メモリーチャンネル2と書かれていればデュアルチャンネルまでの対応です。
最近のマザーボードでしたらデュアルチャンネルに対応しているものが殆どですが、クアッドチャンネルなんかはメモリスロットが8個あるようなマザーボードで可能となります。
デュアルチャンネル×2=クアッドチャンネルではありません。また、トリプルチャンネルについては一昔前の規格となっていて現状ではあまり存在しません。
デュアルチャンネル×2では性能向上するのか?
メモリが4スロットあって、デュアルチャンネルで接続したメモリを2つにすれば性能向上するか?という疑問ですが、メモリの容量はあがりますが、これは逆に参照するメモリが多くなり処理速度が期待以上得られないといった場合も発生します。
4GB×2枚で8GBだったものを更にメモリを買い足して4GB×4枚にするよりも、8GB×2枚を買いなおして差し替える方がデュアルチャンネル対応のマザーボードでは効果が得られます。4枚で性能を出したいのであればクアッドチャンネルに対応したCPUやマザーボードを購入しましょう。
メモリの挿し方に注意する
デュアルチャンネルやクアッドチャンネルについては、マザーボードの説明書などを良く見て、メモリの挿し方にも注意を払わなければなりません。
例えばメモリスロットが4つあったとして、隣り合ったスロットがデュアルチャンネルに対応するものと、1つ飛ばしたスロットがデュアルチャンネルチャンネルに対応するものがあります。
大体一つ飛ばしで色違いになっていることが多いので(中には全部同じ色というものもあります。)マザーボードにメモリを接続する際には良く確認しましょう。
私も最初は良く知らずに隣り合ったスロットに挿したら性能向上があまり見られず、よく調べたら一つ飛ばしで接続しなければならなかったなんてことがありました。
デュアルチャンネルとクアッドチャンネルのメリット
理論上は、デュアルチャンネルなどでメモリのクロック数を2倍にすることでメモリの処理能力(レイテンシ)の向上率が単純に倍々されていくということになりますが、流石に2枚なら転送速度が2倍、4枚なら4倍とはいきません。
しかし1.5倍になった!というところまでは見込める場合もあります。例えばシングル8GBメモリではフレームレートが60fpsだったゲームが4GB×2枚にしたら75fpsまで上がったよ!ということは起こりえます。
マルチタスク中での作業性能の向上や、動画のエンコード、といったメモリの担う作業能力は向上いたします。
メモリ買うならセットで購入
PCショップやネット通販などを見ると、メモリがやたらと同じ容量と型番で2枚組で売られているのは、このデュアルチャンネルに対応するためです。
メモリースロットを消費するという、ほとんどリスクの無い条件でPCの性能が上がるので、購入するなら同メモリを2枚買いましょう。また新しいPCを購入する際には、PC内部のメモリがシングルになっているかデュアルになっているかも確認すると良いです。
大体のゲーミングPCに搭載しているCPUやマザーボードでしたらメモリはデュアルチャンネルで組み込まれているものが殆どです。また、後からメモリを増設するにしても、同型のメモリを選ぶのが賢いやり方です。
どうせ増設するなら最新のメモリを2枚購入した方が良いでしょう。また、数は少ないですがクアッドチャンネルに対応したCPUやマザーボードを使っているなら、同型4枚のメモリを使うと性能向上が見られます。
自分の使うPCやこれから買いたいPCのメモリについて気になったら、このデュアルチャンネルやクアッドチャンネルのことも考えて、上述した注意点を見てから購入することをオススメします。